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ホテルジャンキー村瀬千文とホテルにまつわるヒト・モノ・コト

トランプ大統領が解任した、もうひとりの重要人物

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ただいまアメリカではトランプ大統領による

コミーFBI長官の電撃解任が大きな話題になっているが、

実はその4日前、

ホワイトハウスでは

ひとりの女性職員が電撃解任され

主要メディアでも話題になっていた。

 

5月5日付けのワシントンポスト紙によると

この日の朝、電撃解任されたのは

「Chief Usher」という日本ではあまりなじみのない職のスタッフ。

単純に訳すると Usher は案内係とか受付などの意味だが

ホワイトハウスで、その職名の持つ意味は非常に大きい。

ひとことで言えば、

ホワイトハウスという「ホテル」の

GM 総支配人。

大統領の私邸も含め132室あるホワイトハウス全体の運営責任者で

予算、人事を握り

約90名のホワイトハウス職員のトップ。

ホワイトハウスで内で行われることについては

すべて掌握していると言われ

大統領一家とも深い接点を持つ。

 

この「Chief Usher」というポジションだが、

従来は、たとえ政権や大統領が変わったからといって

交代させられることがない職種とされ、

20年以上にわたって5代の大統領に仕えた人もおり

20世紀に入って以来、彼女でまだ9代目。

 

今回、ホワイトハウスの職員たちは

5月5日金曜日、朝、出勤したところで

彼女の解任を聞かされ

その唐突さに驚いたという。

 

ワシントンポスト紙の電話インタビューに対し

「そういうことはホワイトハウスの方で話した方がいいでしょう」

としかライド氏は語らないため解任理由は不明。

 

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アンジェラ・ライド氏は

高校卒業後にジャマイカからアメリカへ移民し

リッツカールトン・ホテルに25年間勤務。

「リッツカールトン・アット・ペンタゴンシティ」↓

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GM(総支配人)をしていた彼女を2011年に

女性初としてこのポジションに採用したのは

オバマ大統領だった。

 

まあ、トランプ大統領としては

できればそばに置いておきたくない気持ちだろうが。

そして、

彼女はトランプ大統領にとって

「知りすぎた女」だったのかも。

 

  *上の2点の写真は「ワシントンポスト紙」のサイトより、「リッツカールトン・アット・ペンタゴンシティ」の写真は同ホテルの公式サイトよりお借りしました。

 

 

マクロン仏大統領夫妻がヴァカンスをすごしたリゾート

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フランス人にとって

ヴァカンスをどこで過ごすかは

大切なテーマのひとつ。

それが「どこ」かによって

お互いに値踏みしているところもある。

 

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 さて、

「パリ・マッチ」誌によると、

マクロン氏が妻のブリジットさんとともに

昨年、夏のヴァカンスを過ごしたのは、

フランス南西部のビーチリゾート、

ビアリッツ

スペインとの国境に近い バスク地方

(下の地図の赤いマークのところ)

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サルコジ前大統領がヴァカンスをすごした

地中海のコートダジュールほど華やかさはないが、

ここには、

ナポレオン3世の皇后ウジェニーの

夏の別荘として1854年に建てられた後、1893年にホテルとなり、

前世紀には英国をはじめ各国の王族たちも定宿とした

名門ホテル「オテル・デュ・パレ」がある。

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もっとも、

マクロン夫妻が泊まったのはここではなく、

ブリジット夫人の実家が所有する別荘だったよう。

ちなみに、夫人の実家トロニュー家は、お金持ち。

ふたりの地元、フランス北部アミアン

カロンで有名なチョコレート菓子製造会社を経営している。

 

さて、冬休みだが、

どこで過ごしたのだろうか?

ふたりそろってブルージーンズに黒のトップスで

スキー場をバックに写っている写真を調べてみたら、

ピレネ山脈のスキーリゾート

ラ・モンジ

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スペイン国境に近く

こちらもアルプスの高級スキーリゾートのような華やぎはないが

ブリジット夫人の実家の別荘にも近く、

アルプスよりも近いこちらの方がなじみがあるのかも。

 

そして、クリスマス休暇。

ふたりがラブラブの姿をパパラッチされたのは、

ポルトガルリスボン

このふたりだったら、たぶん訪れただろうなぁとおもったのは

1905年創業のリスボンのカフェ「a brasileira」。

文化人・知識人が集う老舗カフェだ。

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ブリジット夫人が「まいった」のは、彼の知性だったそうなので。

 

ついでに、もうひとつ。

第1回投票直後にマクロン氏が

《パリの高級レストランで祝勝パーティーを開いたことで批判を浴びた》

と報道されたレストランとは、
パリ左岸の「 ラ・ロトンド」。

かつて文化人たちに愛された老舗ではあるけれど

高級レストランというより、カジュアルなブラッスリーかカフェ。 

サルコジ前大統領が同じく祝勝パーティーで批判を浴びた

シャンゼリゼの「フーケッツ」に比べると

華やぎは欠きます…やはり。

 

 *ホテルの写真はすべて「Hotel du Palais」の公式サイトよりお借りしました。

 

 

エ・アロール? フランス人がぜーんぜん気にしないこと

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フランスの新大統領エマニュエル・マクロン氏と

24才年上のブリジット夫人の報道を見ながら

思い出した言葉がある。

 

「エ・アロール」

だから? 

 

かつて、ミッテラン元大統領が

愛人と娘の存在について

突撃質問したつもりの記者に

いぶかしげな表情でこう言った。

ミッテラン大統領に隠し子!」

という見出しのニュースにはなったものの

「だから辞任だっ!」にはならなかった。

 

実はミッテラン氏の大統領在任時に

パリ出張したことがあるのだが

そのとき泊まっていたホテルのマダムに

「近くでどこか良いレストランないかしら?」

と尋ねたところ、

そこにいた近所の店のマダムと顔を見合わせ、

「あそこしかないわよね。

ミッテラン大統領も彼女と娘を連れてよく来てるし」

と紹介してくれたのが

「ル・プチ・コロンビエ」

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こじんまりした田舎風のつくりのレストランで

「大統領もおみえになるんですって?」と聞くと

「いつもお二階に」と上を指差し

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「”ごく親しい”ご家族といらしてますよ」とウィンク。

 つまり、ミッテラン大統領に愛人と娘がいることは

フランス国民の間では周知の事実だったのだ。

フランス人はそういうの、ぜーんぜん気にしない。

 

だから、24才年上妻ってことも、

他国で騒ぐほど不思議なことではないだろうとおもう。

 

こういう国民性による「気になること」「気にならないこと」

ホテルにおいてもけっこうある。

 

 

*一番上の写真は、昨年フランスで出版されたミッテラン氏が愛人のアンヌ氏に送った1218通の手紙集「アンヌへの手紙」の表紙。版元のGallimard社のサイトよりお借りしました。

橋に願いを When You Wish upon a Bridge

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 先日、ラウンドしてきた「イーグルポイント ゴルフクラブ」は

バブルの時代につくられたゴルフ場だ。

ここのオーナーのひとりで

ホテルジャンキーズクラブの会員でもある平田毅彦さんによると

上の写真の眼鏡橋だけで2千万円の費用がかかっているそう。

 

わたしの母方の祖父は橋の設計者である。

早生したため逢うことはかなわなかったが、

1冊の古ぼけた祖父のアルバムが残っている。

世界各地の橋がある風景

さまざまな角度からの橋の眺め

潜水夫、技手、棟梁から人夫のおばちゃんまで

橋づくりにかかわるさまざまな人々

すべて橋にまつわる写真ばかり。

祖父が橋をとりまく世界を

丸ごと愛していたことが伝わってくる。

  

この祖父と不思議なつながりを感じたことがある。

都心に住んでいた頃、早朝の隅田川沿いウォーキングが日課だったが

コースはいつも決まっていた。

ところがある朝、

いつもとは反対側に足が向かった。

築地市場前のあたりで

川沿いに真っ黒な人だかりがあらわれた。

その場に流れるなんともいえない厳粛な雰囲気も異様だ。

みんな下流の一点をみつめ、感極まったようす。

なんなんだろう?

 

www.youtube.com

コレだった。 

2020年開催の東京五輪のためにつくられた

「築地大橋」

環状2号線を築地市場から勝どき・晴海へとつなぐ橋

橋のアーチ部分は組み立てたものを

大型クレーン船で運んできて合体された。

その建築のクライマックスシーン 

”合体”の瞬間に出くわしたのだ。

クレーン船が橋梁に近づくと、

みんな一斉に敬礼、

帽子をとって胸に手をやり迎える人たちの

頬に涙が伝う。

 

ああ、祖父がどうしてもコレを見たかったんだな…

そう思った。

橋が大好きでやめられない橋ジャンキーのおじいちゃん。

この「橋」を「ホテル」に入れ替えると

わたしが出来上がる。 

 

「ここってホテルみたいだね」という時間

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 リゾートホテルのテラスでのんびりコーヒータイム、 

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 青い空に青い海、海風がきもちいい。

 「ここってホテルみたいだね」

同行の母がつぶやいたココとは、

葉山にある神奈川県立美術館。

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 北海道が生んだ彫刻家、砂澤ビッキ展をみにきた。 

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 アイヌ人の彫刻家で、

一時、冬の間は鎌倉を拠点に活動していたそうだ。

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 展示室の撮影禁止なのでお見せできないが、

小さな窓越しに切り取ったように海が見える

部屋のまんなかに1点だけ木彫をおいた展示室があって、

そこがまさに

「リゾート」

だった。

その部屋に入るちょっと手前、

入り口の5メートルくらい後ろから眺めると最高のシーン。

このままどこかのリゾートホテルのロビーにしたいほど。

 

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併設のレストランでランチ。

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 「食後のデザートはテラスでいかがですか?」

うれしい提案で、テラスに席を移した。

この食後のコーヒーの際に席を移すっていうのが、わたしは好きだ。

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この美術館には常設コレクションもあるが、

わたしがこの日いちばん気にいったのは、この子 ↓ 

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 岸田劉生の「村娘」

いい"つらがまえ"してる。