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ホテルジャンキー村瀬千文とホテルにまつわるヒト・モノ・コト

奇人・変人・独裁者は大歓迎!

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ハワイのラナイ島「フォーシーズンズ・リゾート・ラナイ」が先日オープンした。元「フォーシーズンズ・リゾート・ラナイ ザ・マネレ・ベイ」を昨年6月より改装し、名前を変えた。

その栄えあるオープニングレセプションで、フォーシーズンズホテルズ&リゾーツの創業者&会長のイサドア・シャープと並んで笑顔を振りまいたのは、IT界ではラリーといえばこの人しかいない、オラクル・コーポレーションの創業者&CEOであるローレンス・ジョセフ・エリクソンことラリー・エリソンである。

何を隠そう、ラナイ島のオーナーは、ラリー。島の98%(残り2%は国有地)を所有している。

2012年6月に、アイランドエアーというラナイ島に定期便を持つ航空会社と一緒にポンと島まるごとお買い上げ。すでに島にあった2軒のホテル、「フォーシーズンズ・リゾート・ラナイ ザ・ロッジ・アット・コエレ」と「フォーシーズンズ・リゾート・ラナイ ザ・マネレベイ・ホテル」もラリーの持ち物になった。

なにしろラリーはお金持ち。2014年のフォーブス誌の長者番付によると世界5位の富豪でその資産は500億ドルほど。

もっとも、ラリーとしては悔しいことに、アメリカでは第3位で、上にはラリーがもう大っきらいで、激しく対抗心を燃やしていると言われているマイクロ・ソフトの創業者ビル・ゲイツ(第1位)がいる。

実は、ビル・ゲイツが結婚式を挙げたのがラナイ島の「マネレ・ベイ・ホテル」横のゴルフコース。そして、ビル・ゲイツはまた、フォーシーズンズ・ホテルズのオーナーでもある。

つまり、ラリーはビル・ゲイツの額の青筋がピキピキするような、カンに触るようなことをあえてやっている、とも取れる(と見ている業界人は実は多いのだが)。いかにもラリーらしいやり口だと。

ちなみにラリーが仲が良かったお友達は、アップルの創業者である故スティーブ・ジョブス。ラリーの結婚式の際にはカメラマンを買って出たほどだが、この人も天才ゆえ奇人・変人と言われた人である。類は友を呼ぶ。

 

ま、そういうことはともかくとして、ラナイ島の元のオーナーであるデイヴィッド・マードックというお方もとんでもなく強烈な個性の持ち主として知られていた。

フォーシーズンズ・ブランドになる前の「ザ・ロッジ・アット・コエレ」と「ザ・マネレ・ベイ・ホテル」の2軒は、マードックが「独裁者」として、ひとりの眼で良い悪いをすべて判断して作ったホテルである。

ロッジ・アット・コエレの方は一見するとオールド・ハワイそのもののプランテーション・ハウス風のクラシックホテルに見えるつくりだが、1990年に開業した際、マードックの「ずっと昔からここにあるように作れ」という指示で、年月経た味が出るよう細心の心配りで作られたホテルである。

インテリアもマードックというその人の趣味(これが強烈なオリエンタル趣味)で一貫されている。その強烈な個性があますところなく発揮され、ホテルの中にいると彼の存在を感じて、ちょっと怖いくらい。

しかし、私が好きなホテルは、こうした「独裁者」が作った個性が強いホテルだ。

さて、IT界では奇人・変人として知られるラリーだが、ホテル界ではどうだろうか? ラリーには奇人・変人・独裁者を貫いてもらいたい、ホテル界でも。