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ホテルジャンキー村瀬千文とホテルにまつわるヒト・モノ・コト

「昼のバーでサンドウィッチ」が似合う男

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ホテルでわたしが「おお、カッコいい!」と思うシーン、

それは早めのランチタイム、

バーのカウンターで酒を飲みながらサンドウィッチを食べる男。

このシーンがぴたりと決まる男というのは、

ほぼまちがいなく、いい男だ(あくまでも私にとって)。

 

まず、カウンターでバースツールに座ってかっこよく見えるには、

足が長くないといけない(足がぶらぶらして可愛いのは女・・・それもかなり若い・・・だけ)。

椅子の座面はたいてい小ぶりのつくりなので、太りすぎには無理。

昼酒くらって酔態をさらすような男では、まず女にはモテない(これも私見です)。

そして、バーテンダーと、ほどよい距離感での会話ができること、

実はこれがいちばんむずかしい。

 

さらに、というか、そもそも、というか、

ひとりのランチに、あえて「ホテル」の「昼間のバー」の「カウンター席」を選ぶ、

これは、かなり自分に自信がないとできないことだ。

 

実は最近、そういう男をあまり日本のホテルでは見かけなくなった。

単に、昼間のバーのカウンターでボクはサンドウィッチのランチを食べてます、

という形式上のことをやっている男はいることはいる。

が、カッコいい男はほとんどいない(ごめんなさい、あくまでも私見ですので)。

 

たいてい、どや顔で、もの慣れた風を装う、自意識過剰系男か(失礼!)、

雑誌の「こうすればあなたもホテル通に見られる!」などというホテル特集や

こんなホテルブログを読んで真似してみたくなってしまった方など。

ホテルの昼間のバーという舞台で、

さりげなく、自然にふるまえ、楽しめる、

というのは、ホテルジャンキー道でも最上級クラスだ。

 

かつて、そんな男たちをよく見かけたのが、

東京では、建て替え前のパレスホテルのラウンジの奥にあったバー。

運転手と秘書には「昼飯食ってきてくれ」とチップを渡し、

お付きも連れず、ぶらりと開店したばかりで人けのないバーにやってきて、

ひとりのランチタイムを楽しむ日本経済を担うトップエグゼクティブたちの姿があった。

 

帝国ホテルの「オールドインペリアルバー」も

そんな紳士たちの昼間の隠れ家的バーのひとつだったが、

今では「いいところ知ってるんですよ」とばかりに

ランチタイムのサンドウィッチセットを目当てに

ビジネスミーティングや軽い接待に使うビジネスマンのような客層が増えたため、

常連だった紳士たちの居場所はなくなってしまった。

 

一度、ああ、こんなところに彼らはまだ生息していたのか(失礼!)と驚いたのが、

ハイアットリージェンシー東京のバー「オードヴィー」。

ここの「牛フィレ肉のステーキサンドウィッチ ウイスキー風味」(税サ込 4,396円)は、

オーストラリア産のフィレ肉をコーンオイルでソテーしてウィスキーでフランベ。

フォンドヴォーを煮詰めたものを加えてパンにはさんだもの。

パンは焼きたてものをあえて使っている。

焼きたては扱いにくいけれど、その方が美味しいから。

付け添えのローズマリーポテトがこれまた美味しい。

 

これをできたらカウンター席で、

生のウィスキーをぐっと一杯飲ってから、

むしゃむしゃと豪快に食べてもらいたい、いい男には。

そして、まちがっても連れの女性にうんちくなど垂れたりせず、

ひとりで来てください、いい男になるには。

 

*上の写真はハイアットリージェンシー東京のサイトからお借りしました。