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ホテルジャンキー村瀬千文とホテルにまつわるヒト・モノ・コト

すったもんだが、ありました。マリオットのスターウッド買収が決定!

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極楽寺の今朝の春です。

 

さて、ワールドワイドなホテル買収話。

いったん「売ってもいいよ」と言ったものの、他からもっと良い話があったのでそっちにしよっかな…と言ってみたら、もっと高く売れちゃった…。

簡単にいうとそういう話なのが、今回のスターウッドの売却話。

昨年11月に、マリオット・インターナショナルによる買収話にスターウッド側はいったん合意していたのだが、そこに登場したのが中国資本。

ニューヨークの名門「ウォルドルフ=アストリア」を20億ドルで買収して話題になった中国の大手保険会社・安邦保険集団が、「もっと高く買うよ」と言ってきたため、3月18日、スターウッドはマリオットとの買収合意をいったん白紙にすると言い出した。マリオットは3月28日まで交渉権を持っていたため、さて、どう出てくるか、その動向が注目されていたが、21日、買値を136億ドル(日本円で約1兆5千億円)に上げて、お買い上げ〜、とあいなった。

 

この話、実は、そう簡単ではない話、でもある。 

なにしろ、アメリカには苦い経験がある。ニューヨークの「ウォルドルフ=アストリア・ホテル」が中国企業(今回のスターウッド買収に登場した安邦保険集団)によって買収されたため、それまで代々、アメリカ大統領のニューヨークにおける常宿だったのにもかかわらず、泊まれなくなってしまったのだ(盗聴、ネット乗っ取りその他、やりたい放題と思われるため、とホテル界では言われている。つまり、ホテル側はやろうと思えばいろいろできるということです)。

しかも、買い手の安邦保険集団の呉会長(現在49才)は、「謎の男」と言われているお方。3月16日付けのイギリスのフィナンシャルタイムズの記事「米高級ホテルに買収しかける謎の男」によると、メディアの取材を一切受けず、その素性がベールにつつまれているそうだ。三番目の妻が鄧小平の孫娘であるということも、そのちょっと普通でない素性をうかがわせる。

そんなわけで、単なる私企業どうしの買収話ではすまない。もし、中国側がスターウッドを手にしたとしたら、いろいろ大変だろうな、と思う。アメリカ大統領が外遊の際は候補からはずすだろうし、政府の役人たちも世界各国にあるスターウッド傘下のホテルの利用の際はお伺いを立てなければいけなくなったかも。

 

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きのうの七里ガ浜。桜名所のプロムナードでも開花宣言、でました。

和食のお店「さらい」でランチしたが、「三種の魚のフライ定食」、とってもおいしかった。外から看板など見て想像していたのより、ずっといい雰囲気のお店だった。鎌倉界隈、どうもこういう想定外のお店が多いように思う。なぜだろう?