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ホテルジャンキー村瀬千文とホテルにまつわるヒト・モノ・コト

70才にして「現役」な男が似合う街、ブルックリン

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ニューヨークからの帰国便で映画「マイ・インターン(原題: The Intern)」を観た。

ロバート・デニーロが70才のシニア・インターンを演じて話題になったが、70才にして若者たちが主役の会社のインターンとして応募し採用されたベンが主人公。若者たちに迎合して合わせることもなく自分のスタイルを通しながら、しかし、臆することなく新しいことにもどんどん挑戦し、いつしか会社の人気者になる。アン・ハサウェイ演じる若き女社長の運転手をつとめるうちに「あなたは最高の友人よ」と言われるまでになる。

そして、ベンは、恋愛においてもバリバリの「現役」!

 

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この映画の舞台ブルックリンは、そんなベンのように、年齢に関係なく生命力あふれる人に似合う街だ。今回のニューヨーク滞在で、わたしが歩いていていちばん心がうきうきして楽しかったのはこの街だった。

その魅力は荒削りさ。率直さ。生命力。

かつて、ソーホーやトライベッカ、うんと引いて言えば、ヨーロッパに対して新大陸であるアメリカにあったものだ。

 

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実は、わたしがこの街に足をのばすのは、1980年の半ばにボクシングペインティングで知られる前衛アーティストの篠原有司男さんのお宅を訪ねたとき以来。「駅から2ブロックだけどさ、その間でよく襲われることがあるからまわりをよく見ながら気をつけて来てね」と言われ、見るからに荒んだ雰囲気の殺伐とした通りをこわごわ歩いた覚えがある。

 

今は、不動産屋の店先をのぞくと家賃はマンハッタン並みに高いし、高層の高級コンドミニアムの開発計画の看板があり、ベッドフォード駅の近くの公園には高そうな犬を散歩させるブランドものの装いの小綺麗な住人たち。かつてのソーホーやトライベッカが通った道だ。ああ、ここも早晩つまんない街になっちゃうんだろうな、とちょっと寂しくなった。

 

余談だが、デニーロはわたしがニューヨーク定宿決定した「グリニッジ・ホテル」のオーナーでもある。

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* 一番上の写真  (C)2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC ALL RIGHTS RESERVED