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ホテルジャンキー村瀬千文とホテルにまつわるヒト・モノ・コト

お姫さまは女ホテリエ

 

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経済誌「Forbes フォーブス・アジア版」で4月に発表された「アジアで最も影響力のある50人のビジネスウーマン」のリストを見ていたら、そのひとりに韓国の「ホテル新羅」社長のイ・ブジン(李富真)氏の名前をみつけた。

ホテル新羅は、名実ともに韓国を代表するホテルで、サムスン・グループの傘下。グループ創始者のイ・ビョンチョルが韓国にも世界の名門ホテルと肩を並べるようなグランドホテルをと強く願い、日本のホテルオークラに徹底して学んで作った経緯がある。

さて、女ホテリエであるイ・ブジン氏は、現在45才。韓国最大の財閥サムスン・グループ会長の長女で、グループ後継者と目されているサムスン電子副会長イ・ジェヨンは兄。フォーブス誌の「長者番付」では、韓国で18番目のお金持ち。女性ではトップで、韓国で最もお金持ちの女性と言われているお方。ちなみに、1位は父親のグループ総帥 イ・ゴニ氏で、兄は3位。

はて、どんな経歴の女性なのかと調べてみたら、韓国の早稲田といわれる延世大学の児童福祉学科卒と、大財閥のお嬢さまにしてはかなり地味な学歴。韓国の財閥ファミリーではお約束の留学&MBA もなし。2001年にホテル新羅の企画部部長として入社し、常務、専務と出世の階段をのぼり、10年後の2011年に代表取締役社長に就任。いろいろ報道されている華やかな業績については、本人の実力によるものなのか、はたまた黒子となってお膳立てしている補佐役によるものなのかはお国柄不明。

 

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(ホテル情報誌「ホテルジャンキーズ」Vol.59 記事より)

2006年、ソウルのホテル新羅が大改装を行った直後、その取材に訪れた。

当時、イ・ブジン氏は経営戦略担当常務。新生「ホテル新羅」プロジェクトを率いていたのが彼女だった。取材の際、彼女の名前を出すと、腫れ物に触るというより、触れると火傷するとでもいうようなスタッフたちのものすごく緊張した表情が印象深かった。

 

以下、おおいに余談。

現在、サムスン・ファミリーは立て続けのスキャンダルに悩まされている。

”お姫様は平民を選んだ”と美談として語られていた長女イ・ブジン氏の結婚が実は破綻しており、追い出された”平民”の元ガードマンの婿がファミリーの内幕を暴露し、どろ沼の離婚裁判中。

そんなさなか、泣きっ面に蜂とはこのことで、父親のイ・ゴニ氏までもスキャンダル戦線に参加。それが、なんと、74才にして売春スキャンダル。お買い上げした若い女性2名とのご自宅での親密な交流映像が流出して報道され、大騒ぎになっている。

グループ後継者と目されている長男イ・ジョエンは既にスキャンダル戦線には参加済み。今から7年前、ある日突然、アメリカ出張中、妻に寝耳に水の離婚訴訟を起こされ、いきなり5,000億ウォンの財産分割を要求された。サムスン側が裁判回避のためスピード協議離婚を成立させたが、サムスン側にはよっぽど表沙汰にしたくないことがあったに違いないと憶測を呼んでいた。ちなみにこの元妻は、大財閥のひとつデザン・グループのオーナー家のお嬢さまで、現在は俳優のイ・ジョンジェと交際中。

ナッツ・リターンにロッテのお家騒動&逮捕と、韓国財閥はいずこもにぎやかな話題を提供しているようだ。