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ホテルジャンキー村瀬千文とホテルにまつわるヒト・モノ・コト

上には上がいる。

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ご無沙汰してました。気になって、気になってしょうがないことがあり、調べごとをしていましたが、まだ調べ中につき、こちらについては改めて。

さて、ちょっと前になるが、ソフトバンク孫正義氏が英国のアーム社を3・3兆円で買収したというニュースがあった。

そのとき、世間の皆さま方とはおおいに異なり、わたしの関心は、ただひたすら、その交渉が行われた「場所」に。

【トルコにアームの会長がヨットで休暇をとって地中海でセーリングしてた時に、僕が電話をして「会いたい」ということで、「じゃあ近くの港に立ち寄る」と。トルコのマーマリスというところの港町のヨットハーバーに立ち寄って。そこのレストランで彼と僕は会いまして】(孫氏の記者会見での発言より抜粋)

このマーマリスというのが上の写真で、トルコの南西にあるリゾートだ。

 

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コートダジュールのサンジャンキャップフェラのハーバーに面したレストラン)

もしかして、こんなところで3・3兆円の交渉は行われたのだろうか? などとつい勝手にいろいろ考える。

かつて、世界の高級リゾートを紹介する本の取材のため、世界各地のリッチピープルが訪れるリゾート巡りをしていたときのことだ。コートダジュールの高級ホテルのGM 総支配人が地中海をのぞむプールサイドで沖に係留中の大型クルーザーを指差しながら言った。

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「ウチのホテルのゲストは確かにみんな世間から言えばたいへんな大金持ちだ。けれど、ホントの金持ちはね、あそこにいるような人たちだよ」

そのクルーザーと港の間を行き来しているボートが運んでいるのは、彼らの【日常食】のシャンパンやキャビア、地元の有名レストランにオーダーしたブランチ用の料理、ときには出張料理のためシェフやウェイターたち一式、なんてこともあるそう。

「上にはね、上がいるんだよ」

しみじみと語ったGM氏だった。

その話を聞いたときは、ふーん、そうなんだーくらいにしか思わなかったが、その後、訪れたアドリア海のリゾート、ドゥブロヴニクでのこと。

「ランチはシーフードが食べたい」とドライバーにいうと、人里離れたひっそりとした海沿いにあるレストランに連れていかれた。「シーフードなら絶対ここがおすすめ、値段はすごく高いけれど」というのだが、知らないと絶対に来れないような場所にある店で、たたずまいも素朴で地味。こんなところにいったいどんな客がくるのだろうかと思っていると、ランチタイムになると次々と高そうなクルーザーがこの店めざしてやってきては、エネルギーに満ち溢れた精悍な男たちがなれたようすで食事を注文している。

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お互いに「どっから来たの?」「サントロペから。ここの魚が食いたくなってね」などと話し、世界各地のうまいもの情報の交換なんかして、そのついでのような感じでビジネスの話になり、連絡先を交換したりしている。

ああ、世の中、まだまだいろんな世界があるのだな、と思ったものだった。

アマンリゾーツ創業者ゼッカがアマンを追われて新しく作ったマーハリゾーツの第一号ホテル「マハクア」がメキシコの山の上に2001年にオープンした時、ちょうどクリスマスに訪れた。オープン直後ということもあり、ほとんどのゲストがいわゆる「アマンジャンキー」と呼ばれるアマンリゾーツのヘビーユーザーたる顧客たちだった。カリフォルニアのワイナリーのオーナーもいれば、ハリウッドの有名映画関係者もいたり、ブラジルの大手企業の経営者もいたりして、実に華やかな顔ぶれ。

その中にルクセンブルクから来ていた三世代ファミリーがいて、祖父母たちと親しく話をするようになった。あとでほかのゲストに聞いたところ、ルクセンブルクの有名な銀行のオーナー一族なんだそう。孫たちのテニスがものすごくうまいのでほめたところ、ウィンブルドンにも出場しているプロテニスプレイヤーがしょっちゅう自宅に遊びに来て、【自宅の】テニスコートで孫たちにテニスを教えてくれるからだという。

そして、

「私たちは年だからもうやめたけれど、昔はこの人(ご主人)がヨットが好きでね、世界各地をクルーズしてまわったものだわ。いまは息子にゆずって、息子家族は暇さえあれば地中海だのアドリア海だの、クルーズしてるのよ」と、世界各地のヨットハーバー話に花が咲いた。ちなみに息子夫婦がアマンジャンキーなので、今回マハクアにも誘われたのだという。

そういえば、アマンリゾーツの現オーナーのドローニン氏もクルーザー持ち。氏は、イビザ島にクルーザーを係留しており、代々の恋人たちとのヴァカンスにご利用。

ところで、世界一のお金持ちといわれるビル・ゲイツ氏はどうなのだろうか、とふと思って調べてみたら、2014年8月7日付の「デイリーメール」紙にこんな記事があった。

 

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「パパ、ありがとう!」という書き出しだが、すなわち、1週間あたり500万ドルというお値段で12室もある大型豪華クルーザーを借りきり、イタリアのサルディニア島で家族と夏の休暇を過ごしていた。テニスするときの移動はヘリコプターとのこと。

これを読んで、思い出した。

あのコートダジュールのホテルのGMの言葉を。

上には上がいる。