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ホテルジャンキー村瀬千文とホテルにまつわるヒト・モノ・コト

トランプの後ろに立っていた、ふたりの男たち

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きのう、ライブ中継でトランプ次期アメリカ大統領の勝利スピーチを見ていたとき、ふたりの男が気になった。

まず、この男 ↑  ジャレッド・クシュナー氏、35才。

上の写真のとおりのイケメンで、若くして大手不動産開発会社のCEOである。

ポーランド系ユダヤ人移民の三代目で、大学卒業後、脱税の罪で塀の向こうに2年間ほど行くことになった父親の代わりに20代の若さで家業を継ぎ、マンハッタンの高層ビルの買収などで手腕を見せた。

そして、25才のときニューヨーク都市部を中心に読者を持つ週刊の新聞「ザ・ニューヨーク・オブザーバー」(2006年当時、5万部発行)を買い取り(買収金額は非公表)、オーナーになった。

 

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それも、「父とは関係ありません。将来性があると思い、個人資産で買いました」「父のことは愛してますが、わたしにはわたしの生き方があります」とニューヨークタイムスの取材に答えている。

実はこの男こそ、トランプの娘、イヴァンカの夫で、トランプの勝利スピーチの際にはイヴァンカの隣に立っていた男である。

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美貌と知性とビジネス手腕、さらには、良き妻、良き母まですべて兼ね備えたスーパーウーマンとして知られるイヴァンカは、彼と結婚するためにわざわざユダヤ教に改宗している。彼女との間にはすでに3人の子どもがいる。

 

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さて、この男、義父であるトランプの大統領選では、選挙顧問として動いた。人の言うことはほとんど聞かないといわれるトランプも、彼の言うことには耳を傾けたらしいという噂。

実は彼の父親であるチャールズ・B・クシュナー(前述の塀の向こうで2年間おつとめした人)は、民主党の大献金者であり支持者として知られている人である。

また、この男、選挙顧問のかたわら、選挙後をにらんでトランプ・ブランドのテレビネットワークを含むメディアの設立でも動いていたことで知られる、やり手のビジネスマン。

かつて、ロス・カボスにある超高級リゾート「ラス・ヴェンタナス・アル・パライソ」で出会った投資家が言っていた言葉がある。

「人を見るときは、その人がすることを見る」

とすると、この男、ジャレッド・クシュナー氏がこれまでやってきたことをたどると、義父の大統領選など、大いなる野望の道の単なる通過点にすぎない。

その視線の先には、トランプ大統領の「後」も。

 

そして、もうひとりの男とは…。

トランプ次期アメリカ大統領の勝利スピーチの間、そのすぐ後ろに立ち、ニコリとも笑わず観衆を冷静というより、冷徹な眼つきで見わたしていた10才の少年、バロン・トランプ君。トランプとメラニア夫人との間のひとつぶ種である。

ラニア夫人の米雑誌のインタビュー記事によると、五番街のトランプタワーにあるトランプ邸では、バロン君はワンフロアを与えられ、すべて彼の思うまま自由に使わせているのだそうだ。

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ラニア夫人いわく、「性格は主人にそっくり」。

とすると、トランプ次期アメリカ大統領のまわりにいる男たちのなかで、この男こそ、将来、前述のジャレッド・クシュナー氏の最大のライバルになるかもしれない…。

なんてことを、忙中にもかかわらず、ついつい考えてしまったのも、今回の「ドラマ」の登場人物たちがあまりにおもしろいから。

さて、ホテルジャンキーとしては、トランプ・ホテルズを最終的に誰が継ぐことになるのかもおおいに興味がある。

 

*一番上の写真は「kushner companies」のサイトより、イヴァンカ・トランプ氏の写真は同氏のインスタグラムより、トランプタワーの写真は同ビルのサイトよりお借りしました。