その男とは、上の写真の左から二人目、司祭さんのような人に胸に何かをつけてもらっている人、本コラムでもおなじみのアマンリゾーツの現オーナーであるドローニン氏である。どうやら莫大な寄付をしたようだ。
いつしか各国のメディアにおいて「ロシアのトランプ」と呼ばれるようになったドローニン氏、本物のトランプ氏との共通項は多い。
不動産ディベロッパーとして急激に成り上がってきた出自、高級ホテルの経営、パパラッチの格好のターゲットとなる派手なプライベートライフ。ナオミ・キャンベルを手はじめに、中国人、ロシア人とスーパーモデルを次々に恋人にしてきた。高級リゾートを舞台にして、美しい恋人たちを伴侶にレオナルド・ディカプリオなどのハリウッドの俳優たちを交えた華やかなパーティーライフを披露している。
さらに、世界各地の高級住宅地に豪邸を所有し、プーチン大統領の自宅もあるモスクワ郊外の超高級住宅地にはザッハ・ハディド氏の設計の豪華自邸 ↓
ド派手な演出では、本物のトランプ氏にけっして負けません。
さて、あらためてドローニン氏の公式サイトのプロフィールビデオを見ていて、気になったことがある。冒頭の写真の司祭さんとは、この方 ↓
時代が、ソ連崩壊へと移る激動の時代にロシア正教の総主教をつとめたアレクシイ2世である。
ドローニン氏との共通項は、サンクトペテルブルク(旧レニングラード)。
アレクシイ2世の父親はサンクトペテルブルク生まれのバルト・ドイツ貴族の末裔と言われており、1986年からはレニングラード府主教。1964年から欧州教会会議(CEC)の議長をつとめ、反ユダヤ主義を公式に非難したことでも知られている。
そのせいかどうか、ドローニン氏のプロフィールビデオによると、ドローニン氏はモスクワのシナゴーグ(ユダヤ教の礼拝所) ↑ の修復にも寄付している。
そして、アレクシイ2世について、もうひとつ「噂」として根強くあるのが、KGBの工作員であったというものである。ことの真偽はわからないが、これを知って、ふと思い出したのが、KGB出身のプーチン大統領は1989年のベルリンの壁の崩壊にともないベルリンのKGB支局からソ連に帰国し、母校のレニングラード大学の学長補佐官となったこと。
そして、ソ連が崩壊に向かっていた激動のその時、アレクシイ2世も、プーチン大統領も、ドローニン氏もみんなレニングラード(現サンクトペテルブルク)にいた。
思うに、一度、刺激的な「激動の味」を覚えた人は、もうふつうのことでは満足できないだろう。
ドローニン氏の次なる野望は何か、おおいに興味があるところだ。
*以下、ドローニン氏に関する本コラムの参考記事です (けっこう書いてますね…)
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*ドローニン氏関係の写真は同氏の公式サイトのプロフィールビデオからお借りしました。