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ホテルジャンキー村瀬千文とホテルにまつわるヒト・モノ・コト

83才の母がみたオークラのおもてなし

ホテルの朝食 ホテルのコーヒーショップ ホテルのサービス 東京のホテル 母娘旅行 ホテルのスイーツ

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クリスマスパーティーの翌朝は、

オークラの11階の部屋で、

ビルの間を縫うようにのぼってくる朝陽を眺めながら気持ちよい朝を迎えた。

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隣のベッドの母83才、「ホテルはやっぱり眺めがいいところだねぇ」と窓辺にはりついて満足げ。

眼下には紅葉した樹々。

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 さて、朝食。

以前だったら、オークラの場合、迷わず「テラスレストラン」(和食気分のときは「山里」)へ朝食にでかけたのだけれど、

本館建て替えによりなくなった、というより、

残念ながら、なくなってしまったので、

元別館のコーヒーショップ「カメリア」へ。

エレベーターから飛び出してきたジョギングウエアの外国人女性とぶつかりそうになり、

おっと「ソリー」、

目顔でお互いに「大丈夫」、

笑顔で「バァーイ」。

オークラの朝はテンポが早い。

一連のやりとりを見ていた母が、「ねぇ、いま、何て言ったの?」。

再現してみせると、「なーんだ」。

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カメリアの朝食は、ビュッフェ3564円(税サ込)を選んだ。

この日、朝8時過ぎの店内は外国人率80%。

(なお、あとで開店と同時に入ったホテルジャンキーズクラブの方によると、「外国人率は、明らかに名古屋マリオットアソシア「パーゴラ」を下回っていました」とのこと)

朝から笑顔の向こうに戦う気満々のパワーブレックファストらしきダークスーツ姿軍団もいれば、

リタイア後の観光旅行中なのか、カジュアルウェアでのんびりと窓際の席で食事しているシニア夫婦、

タブレットを見ながら黙々と食べているのは、ビジネス出張らしいひとり客で、男女それぞれ半々の割合。

そんな中、83才の小柄な母が、ベンチシートにちんまりとおさまり、マイペースで、堂々、ゆうゆうと朝食を食らっている…という、

朝のオークラ東京の平和な光景。

実は前の晩、パーティーの二次会の後、オークラ泊まりの方に誘われ、ここに深夜お茶しに来たのだが、

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(ついつい深夜に食べちゃった好物のピーチメルバ。桃がシーズンではないのでフレッシュじゃないのが残念だが、おいしかった)

 

chifumimurase.hateblo.jp

私たち以外にはお客もほとんどいなくなった頃、スタッフたちは朝食の準備態勢に入り、空いたテーブルでは朝食のセッティングを始めていた。

それがわたしには興味深くて、

「それって朝食のセッティングですよね?」と、つい尋ねたら、

「あ、すみません。うるさかったでしょうか?」とあわてるスタッフ。

いえいえ、ぜんぜん、そうではないんです。わたしたちってホテルジャンキーなもので、いま、この時間帯、ホテルではいったいどんなことをしているのか、ただただそのことに興味があっただけなんです、他意はありません…。

とは、口には出さないものの(説明が長くなるので)、

「どうぞどうぞ気にしないでお仕事やってください」の想いをこめた目で、

「いえいえ、ぜんぜん。まったく、大丈夫です」。

そのときのスタッフの方たちが、朝、働いていた。

きっと深夜から朝にかけてのシフトで、仮眠を取っただけなんだろうけれど、動きもきびきび、笑顔はさわやかだ。

目配りもしっかり、食べ終わったお皿はすぐに下げられ、新しいカトラリーがセットされる。

コーヒーを注ぐタイミングもゲストの側に立ち、いつも熱いコーヒーが飲める。

そんなスタッフたちを見ながら、このホテルのことを以前に「居心地がいいホテル」と称した母、

chifumimurase.hateblo.jp

 

あらためて感心し、しみじみと、語る。

「相手を疲れさせないで、おもてなしをするっていうのはけっこう大変なことだよね」

ようするに、

「さあ、これから、おもてなし、しますからね! 行きますよ〜!」という

サービスする側の緊張感は、

ゲストの側にもびんびんに伝わってきて疲れてしまうことがある。

ゲストに「おもてなし」を感じさせないのが、

そもそも「おもてなし」である。

そう言いたいらしい。

老いてはますます壮んなるべし。