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ホテルジャンキー村瀬千文とホテルにまつわるヒト・モノ・コト

「エセックス・ハウス」で朝食を

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セントラルパークに面し、五番街の角にたつプラザからは数軒お隣にある「エセックス・ハウス」。1931年に開業したニューヨークでも老舗ホテルのひとつで、ウォーレン・ベイティ主演の映画「めぐり逢い」の舞台にもなった。

このホテルで先月、年次株主総会を開いたのは、アメリカの大手化粧品メーカー「エスティ ローダー」社。

株主総会の朝、ホテルのロビーには朝からドレスアップし、きれいにメイクアップを整えた女性株主たちがあふれたという記事が、12月13日付のウォールストリートジャーナル紙に載っていた。

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そして、株主たちは、会場に用意されたペストリーや美しく盛られたトロピカルフルーツなどの朝食を、せかされることなく、ゆっくり楽しむことができたという。

この「ホテルの朝食」というのがかなりポイントである。とわたしは思う。

株主総会に行ってくるわ」と早朝に家を出かけるとき、その行き先がふつうのオフィスビルにある会議室なんかではなく、紅葉が輝くように美しいセントラルパークに面し、映画の舞台にもなった有名ホテルで、高揚した気分に合わせるようにドアマンが慇懃にドアを開けてくれ、素敵なインテリアはドレスアップが映えるシチュエイションで、さらに、ふだんは自分で作るごく日常的なできごとにすぎない朝食が、こんなにも美しく素敵に晴れのシーンに演出されていて、あたかも自分が映画のワンシーンのなかに登場するような気分になれる…。

こうした舞台設定、演出、女心をよく知っている会社だなぁと思う。さすがに化粧品会社である。

そして、朝食なんてさほどお金はかからないのにこんなにもリターンは大きいことを知っている。単に、豪華に、贅沢に、お金をかけたからといって喜ぶのが女ではない。

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わたしが生まれてはじめて「エスティ ローダー」という名前を聞いたのは、大学時代、関西の裕福なお嬢さんだった同級生の下宿に遊びにいったときのこと。鏡台にディオールやシャネルの化粧品が並ぶなかに、ひとつだけ見慣れないロゴの瓶があった。

「うちファンデーションだけはこれ使うてるんや。のびがぜんぜん違うんよ」

そう言われても、女子大といってもダサさの方で定評があった我が母校。へぇ、そうなんだー、で終わった。

当時から、化粧品には興味がないが、食べることが大好きだったわたし。

なかでも外で食べる朝食というのがことのほか好きで、バイト代をもらうと嬉々として喫茶店のモーニングに出かけた。

「ホテルの朝食」なんて、まだまだ夢の夢だった頃のことだ。いつか「ホテルで朝食を…」とあれこれ夢見ていたものだった。

だから、「ホテルで朝食を…」という誘いには、すぐさま乗ってしまうわたし。そのせいで各方面にいろいろ誤解を与えたことも多い、若かりし頃だった…。

 

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今朝の逗子方面の夜明け。電車乗り過ごし、浜辺を散歩しながら出社。

 

*上のエセックス・ハウスの写真は「JWマリオット・エセックス・ハウス・ニューヨーク」の公式サイトからお借りしました。