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ホテルジャンキー村瀬千文とホテルにまつわるヒト・モノ・コト

ホテルジャンキーが行動を自粛せざるをえなくなった街

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それは、北京。

今月10日に中国の北京市国家安全局が、スパイ行為に関する新たな規制を制定、施行したのだ。簡単にいうと、一般市民に「あの人はスパイらしい」という通報を奨励し、最高で50万元(約800万円)の報奨金を支払うというもの。

これが、なぜホテルジャンキーの行動に関係があるのかというと、わたしが北京でごくふつうに取るであろう行動が、おそらく彼の地の一般市民にとっては「挙動不審」「あやしい」ととられる可能性が大だから。

もし、現地で通報され、当局から質問を受けたとする。

「アナタは何しに北京に来たのか?」

「泊まりたいホテルがあったからです」

「なぜそのホテルに泊まりたいのか?」

「ちょっとおもしろそうな感じだったので」

「それだけのために来たのか?」

「ハイ、そうですけど、何か?」

「……では、アナタはなぜホテルを毎日移動するのか?」

「いろんなホテルに泊まってみたいから」

「……では、アナタはなぜいつもホテルの中をうろうろとしているのか?」

「"ホテルピクニック"してたんです…その、つまり館内を見てまわってました」

「なぜ? なんのために?」

「見てまわるのが好きだから、楽しいからですけど、それが何か?」

「……アナタはホテルのさまざまなレベルのスタッフたちに話しかけていましたね。総支配人からロビーマネージャー、ウェイター、ベルボーイ、清掃スタッフまで」

「ハイ、ホテルをいろんな角度から見たいので」

「……スタッフがバックヤードに行くドアを開けたとき、アナタが後ろからじっと中をのぞきこんでいたのが監視カメラに映っている」

「あ、それはですね、バックヤードのようすを見るとそのホテルのことがよくわかるんですよ」

「アナタはきのうずっとロビーにいて、あちこち見ていた。誰を待ってた?」

「いえいえ、そうじゃなくて、ピープルウォッチングするのが好きなんです」

………。

という具合で、自分で書いていても、あやしさいっぱいだろうな、と思う。

じゃあ行動を自粛すればいいじゃないかとも思うが、その自信はない。おそらくその場(ホテル)に行ったら、ホテルジャンキーの本能が目覚めてしまうだろうと思う。

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あーあ、北京にはまだまだ行きたいホテルがいっぱいあるのになぁ…。

 

*写真はRosewood Beijing のサイトからお借りしました。