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ホテルジャンキー村瀬千文とホテルにまつわるヒト・モノ・コト

2019年冬、京都にやってくる「ACE ホテル」をつくった男

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京都に2019年冬、「ACE ホテル」がオープンすることになった。

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もともとは1926年に建てられた京都中央電話局だった建物だが、2001年にリモデリングして商業施設新風館」に

オーナーであるNTT都市開発がここをホテルにしたいと、いくつかのグローバル・ホテルチェーンと交渉をすすめていたが、最終的に「ACE ホテル」に決まった。 

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「ACE ホテル」って誰よって?ってことで、 

日本では初登場のホテルブランドだが、

 仕事柄、ホテル選びを頼まれることが多いわたしが、

「俺って、とんがってる方なんだよね(流行の先端行ってるんだぜぃ!)」

とか

「僕、見かけは堅いですけど、実はけっこう、アレなんですよね…(僕、脱ぐとけっこうイケてるんです)」

とか

つまり、「気持ちが若いし、感度いいし、なかなかいいセンスしてるじゃん!」

と思われたい方にわたしがおすすめしているホテルブランドが「ACE ホテル」。

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創業者が異色のホテリエだった故アレックス・カルダーウッド氏。

この人は野生児で、マーケティングだの調査だのいっさい関係なく、すべて直感で決めていた。

彼がつくったホテルは、イアン・シュレイガー氏などのデザイナーズホテルと見かけは似てはいてもまったく別物。

生き方、思想、ポリシーをホテルで表現してみたら、こうなった、という類のもの。

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彼の名前が知られるようになったのは、シアトルにあった「今や昔のさびれ系」の理髪店のリニューアル。あえて昔のままの床屋さんスタイルを打ち出したビンテージ理髪店「Rudy's Barbershop」が若者たちに「いいかんじ!」とうけ、チェーン化。

この成功で注目され、ホテル界に進出し、1999年に第一号ホテルをシアトルに開業。

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ロビーに誰でも利用できる共同ワーキングデスクがあったり、部屋にバスルームがなく共同シャワーだったりと、従来のホテルの概念をぶち壊した。

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これから、もっともっとぶち壊して面白いホテルをつくってもらいたいと楽しみにしていたのだが、実は、このアレックス氏、2013年にロンドンに開業したばかりのエースホテルの部屋で亡くなっているのが発見された。享年47才。

京都のホテルをアレックスが手がけたとしたら、どんなホテルになっていたのだろうと思うと残念だ。

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京都の物件のリモデリングと一部新築部分の設計は隈研吾氏。

なんとなーく隈さんが手がけた「ザ・キャピトルホテル東急」と似ている感じがする。

 

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ともあれ、京都のホテル界に新風が吹きそうで楽しみ!

 

*「ACE ホテル」とRudy's Barbershop」の写真は同チェーンの公式サイトならびにNTT都市開発が提供するリリース画像からお借りしました。